カイロプラクティック

伝統医学と関係なさそうなカイロプラクティックですが、伝統的な理筋正骨の理念とかなり似ている部分があります。似たような手技は古くから世界各国で行われていた技術のため発祥地は不明です。

 

医聖ヒポクラテス(460-377B.C)の著書「関節について」によると脊椎障害に対して脊椎マニュピレーションを施したと述べられています。約百数十年前にアメリカの療法家であったD.D.パーマーがカイロプラクティックを創始し、多くの先駆者達の努力により世界各地に広まりました。

 

カイロプラクティックは筋骨格系、特に脊椎の機械的障害の診断と治療に関係しています。主なカイロプラクティック治療法には、手技療法、特に脊椎、他の関節、軟部組織の操作が含まれますが、運動や健康およびライフスタイルのカウンセリングも含まれる場合があります。

 

 

カイロプラクティックの概念

カイロプラクティックは一般に、筋骨格系、特に脊椎の操作に焦点を当てた補完代替医療に分類されます。その創設者であるD.D.パーマーは、それを「薬物なしの治癒の科学」と呼んでいました。パーマーは、椎骨の亜脱臼が体の機能を妨害したと主張しました。脊椎の亜脱臼が椎間腔に挟まれた神経を引き起こし、亜脱臼が緊張しすぎたり緩すぎたりする神経振動の変化を引き起こし、末端器官の緊張(健康)に影響を与えるということです。異常の起きた場所にアジャスト(矯正)を加えて元の位置に戻れば体の機能が自然に正常に戻るのはカイロプラクティックの考え方です。腰痛・肩こりもカイロプラクティックが効く場合もあります。

 

危険性について

カイロプラクター(カイロプラクティックの施術者)にはカイロプラクティックは科学に基づく西洋医学で治療するとおっしゃる方が多いですが、実はD.Dパーマー氏が作ったカイロプラクティックの理論は現代医学にいろんな独自の仮説や研究を加えてしまっているため、純粋な現代医学とは言えません。実際カイロプラクティックの有効性と費用対効果は不明であり、操作の安全性を確立するための十分なデータがありません。

 

カイロプラクティックに求められる技術レベルはとても高く、未熟な施術が行われるとと軽度から中等度の副作用を伴うことが多く、まれに重篤または致命的な合併症を伴います。頸部マニピュレーションによる脳卒中や死亡につながる可能性のある椎骨動脈解離のリスクの程度に関しては論争されています。


資格について

近年カイロプラクティックの発展が進み、世界中に広まっていくことで制御が効かなくなっていると言われています。オーストラリアではカイロプラクティックは国家資格として国でしっかり管理されていますが、アジアの国ではほぼ民間資格の民間療法のカテゴリーです。日本ではカイロプラクティックの技術は整復術に似ており、整体師と柔道整復師がカイロプラクティックの技術を取得することが多くあります。

 


近年のカイロプラクティック

近年カイロプラクターの増加により、独自の技術を加えて発展しています。良き進化があればそうでもないものもあります。カイロプラクティックのテクニックは多少強引なものが殆どであり、患者にリスクが伴う施術でもあります。、このリスクを避けるために、最近ではソフトな施術が流行しています。しかし、本来カイロプラクティックはソフトな施術が有り得ません。カイロプラクティックとソフトカイロは全くの別物であることを理解しておくと良いでしょう。

ソフトカイロではオカルト的な謎のエネルギーを使ったり、患者を寝かせて、撫でるだけで実際には矯正を行わないなど、カイロプラクティックとしての効果は期待できません。